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1,横須賀米軍キャンプ編T

2,横須賀米軍キャンプ編U

3,東京時代 新宿編T

4,東京時代 新宿編U

5,新宿ダンサー編

6,B&B時代

7,B&B時代・続編 

8,新宿ムゲン編

9,新宿ムゲン編U

10,徘徊から吉祥寺へ


新宿ダンサー編  前回より続く・・・・

俺は角刈り男の誘いに乗り、某有名プロダクションに行った、名前の割には大した事務所じゃないなぁ・・・と思った!そこにはチョッと怪しい感じがする紳士がいて俺を舐め回すように見た、“使えそうね!”俺はダンスでスカウトされてここに来たのに、踊りも見ないで使えそうだ!何て思ったが俺はそれを口には出さなかった。俺は角刈り男の指示に従い2日後からダンスレッスンに参加した、レッスンはジャズダンスがメインだ、俺はそれまでジャズダンスは踊った事が無かったが、それ程難しい内容ではなかった。振付師による振りも踊ったがどうも俺にはピンとこなかった。それなりにカッコイイダンスなんだけどファンキーじゃない、その頃未だ日本では黒人のダンスは認知されてなかった。黒人のダンスが表に出てきたのは映画フラッシュダンスやブレークダンスが放映された以降の話でテレビでやっていたのはソウルトレーン(必ず見てた)のみで、ショーダンスと言えばジャズ・タップ・モダン・ポップメイツぐらいのものだった。3ヶ月ぐらいは通ったがどうしてもここのダンスが好きになれなかった。俺は角刈り男に、この事務所をやめたいと意思を伝えた、本当は他にも理由があるのだがパブリックスペースで話すには問題がある、直接俺に会った時でも聴いてくれ!角刈り男は非常に残念がり俺を引き止めたが俺の意思は固かった。2週間ぐらいしてから角刈り男から電話があり、飲食店を手広く経営している某会社がお抱えダンサーを捜しているという話だ。俺はその頃もう角刈り男を信頼しきっていたので喜んでその話に乗った。契約内容は簡単だ契約期間中は他の会社と専属契約を結べない事ぐらいしか縛りは無い。報酬は1曲約3分間5千円と悪くなかった。一番メインになる仕事が毎週金・土曜日その会社が経営する高級クラブで4曲踊ることだ1回行くと2万円になる、週2日は行ってたから一ヶ月で16万円になる副業としては、まだ若かった俺にはかなり良い稼ぎだ。俺にもファンらしき人々が何人かいた、ファンの言葉からだいたいは若い女性を想像するが、俺のファンはだいたい男だ、それも中年男性がほとんどだから困ったものである、タイプはだいたい2つに分かれる、一つは良い女を2〜3に連れたヤクザの幹部、そしてもう一つは会社の重役クラスの人間だ、どちらもショーの時に割り箸に万札を挟んだチップをくれる、時には1枚だったり時には3枚だったりするがそんな事はどうでもいい、チップを貰うとその席に挨拶に行き一杯ごちそうになる、だいたいその時の話しは決まっていてヤクザの場合は、連れてる女達にこいつは俺が可愛がっているダンサーだと自慢げに紹介する、会社の重役の場合はこれから私の知っている良い店があるから飲みに行かないかだ、そう言えばこんな事があった毎週俺のショーを欠かさず見に来てるれる貿易会社の社長がいた毎回飲みに誘われるから、たまにはつき合いでついて行った、入った店はママが高そうな着物を着てジャズピアノの音が流れ、毛足の高いジュータンの高級クラブだ、女が4〜5人付き、頼む酒はおきまりのヘネシーだ、只不思議な事に綺麗なオネーチャンがいるんだからネーチャンを間に挟み酒を飲めばもっと酒が旨くなる物を、俺にピッタリくっついて座りその上俺の膝をなぜやがる……あぁぁぁぁやっぱモーホーだ!とりあえず店にいる間だけは我慢した、このオヤジの機嫌そこねても俺にゃーこの店の支払出来ないし、朝方までやな思いをしながら高い酒を飲み帰りの支払が何と46万円也…やっぱり我慢してて良かった!帰りぎわに一緒に泊まる?と言われたが丁重にお断りしたら帰りのタクシー代を3万円をくれた。その後このオヤジとは数回飲みに行ったが当然ケツまでは貸していねぇよ! まぁ踊ってる時はそれなりに稼ぎも良かったが、かなりの練習もしてたよ次回はそんなダンサー仲間の話しをするぜ!